地元が満足する那覇国際通りへ


沖縄発のコラム:美ら風(ちゅらかじ)

 那覇市の国際通り県庁駅前商店街振興組合は昨年11月、県庁前にあるデパート「パレットくもじ」周辺で、地元客と国内観光客、外国人観光客に対し「国際通りの満足度」アンケート調査を行った。

 その結果、国内観光客の8割、外国人観光客の9割が「大変満足」か「満足」を選んだのに対し、地元客は4割と大きな差が出た。

 その理由として国内観光客は「本土とは違う文化を味わえる」が約6割、海外観光客では、「街並の雰囲気」が6割強で最も多かった。地元客は「商店街の雰囲気」が最も高く評価した点だった。

 不満な点について、国内観光客の約3割が公衆トイレの不足を挙げ、外国人観光客の4人に1人がごみ箱の数に不満を抱いていることが分かった。

 地元客の約7割が駐車場に不便を感じているという結果が出た。また、地元向けの店が少ないこともあるようだ。国際通りとその周辺道路は同じ商品を扱う土産物屋が多い。最近は、中国人の“爆買い”を期待してか、ドラッグストアが急増している。

 ドラッグストアや大手量販店の店内を覗(のぞ)くと、ほとんどがアジア系の観光客だ。たまに、用事があって買い物に行くと、自分自身がよそ者であると錯覚したり、肩身が狭い思いをすることもある。

 国際通りは、那覇大綱挽の旗頭行列、沖縄国際映画祭のレッドカーペット、1万人のエイサー踊り隊、首里城まつりの絵巻行列など、大規模イベントが多く開催され、年間を通じて修学旅行生も多い。どうすれば地元の人々と国内外の観光客が融合し、一体感を感じることができる場所へと変容できるか。それが地元商店街の人たちの課題だ。

(T)