両陛下の沖縄御訪問 間近に


沖縄発のコラム:美ら風(ちゅらかじ)

 天皇皇后両陛下は27日から3日間の日程で沖縄を御訪問される。

 27日には糸満市の沖縄県平和祈念公園の国立沖縄戦没者墓苑を参拝される。28日は与那国島を日帰りで御視察。最終日は豊見城市の沖縄空手会館で空手演武を御見学されることになっている。

 天皇皇后両陛下の沖縄御訪問は、皇太子殿下時代を含め過去10回。平成26年6月に、対馬丸慰霊のために御訪問されて以来、4年ぶりとなる。地元では誠意をもって奉迎の準備を進めている。

 奉迎委員会の会長は沖縄県商工会議所連合会の石嶺伝一郎会長、実行委員長は県神社庁の渡慶次(とけし)馨庁長が務める。委員会発足式で石嶺氏は「恐らく天皇陛下の最後の御来県となり、両陛下の沖縄に寄せられる思いは非常に深く、県民挙げて御奉迎したい」と呼び掛けた。

 琉球古典安冨祖流音楽研究朝一会総帥で人間国宝の照喜名(てるきな)朝一氏も奉迎委員に名を連ねる。照喜名氏は自身の戦争体験や皇太子殿下時代の御訪問を振り返りながら、「沖縄県民のチムグクル(肝心)は世界に通じる」と指摘、「大歓迎したい」と話した。

 前回、県を挙げて奉迎活動をしたのは平成24年11月だった。その年の天皇御誕生日、今上陛下は行幸啓についてこう振り返られた。

 「沖縄は、いろいろな問題で苦労が多いことと察しています。その苦労があるだけに日本全体の人が、皆で沖縄の人々の苦労をしている面を考えていくということが大事ではないかと思っています」
 地上戦で多くの県民が犠牲になったことを片時も忘れることなく、6月23日の沖縄慰霊の日には必ず沖縄の方向に向かって黙祷(もくとう)を捧(ささ)げられている。

(T)