尖閣防衛は日米台連携で
沖縄発のコラム:美ら風(ちゅらかじ)
沖縄県防衛協会(国場幸一会長)の年次総会がこのほど、那覇市で開かれ、在沖米海兵隊のロバート・エルドリッヂ元政務外交部次長が尖閣諸島防衛をテーマに講話した。
エルドリッヂ氏は1994年から日本の大学で研究する中で、「尖閣問題は日中の問題と見ていたが、米国がいろいろと関わっていたのが分かった」と述べた。
「米統治下、尖閣は沖縄の一部として定義されており、日本は尖閣に対して潜在主権があった。その論理上、米国は知らん顔することはできない。だから、現在の米国のスタンスは矛盾している」「米国の曖昧な政策が現在の不安定な状況をつくり出す原因にもなった」などと批判。その上でエルドリッヂ氏は尖閣問題解決のために日本が取るべきいくつかの施策を提案した。
一つは、「尖閣諸島を所管する石垣島に尖閣資料館を造ること」。世界の研究者が立ち寄り、国民にも認識を深めさせることになると指摘する。
次に、「実効支配をアピールするために魚釣島に気象台、港、ヘリポートを造り、公務員を常駐させる」ことを提案した。日本の本気度を見せることができるという。「何もしなければ軍事衝突し、コストが高くつく」
外交の在り方として、エルドリッヂ氏は「日米台の同盟で尖閣防衛するのが望ましい。台湾が尖閣諸島の領有権主張を放棄すれば、米国が台湾を国家として正式に認めるという取り引きもあり得る」との持論を展開した。
一方で、沖縄返還についても言及。普天間飛行場(宜野湾市)返還合意から20年半を経ても、具体的な返還の期日が定まらないことを引き合いに、「一施設の返還でそれだけかかるのに、沖縄全体の返還はたった20年と3週間でできた」と述べた。
(T)