米軍はモズクの「よき理解者」


沖縄発のコラム:美ら風(ちゅらかじ)

 沖縄県は毎年4月の第3日曜日を「モズクの日」に定めている。2002年、県議会で承認されて、はや15年がたつ。制定目的は次の通りだ。

 「モズクのほとんどは沖縄県で生産されており、沖縄県水産業の基幹産物となっている。生産から流通に携わる関係者が、年に一度、モズク産業振興の一環として消費者に旬のモズクに触れ(見る、食べる)てもらい、モズクを広く県内外にPRする」

 「モズクの日」の16日には、モズク最大の漁獲高を誇るうるま市勝連の平敷屋漁港でモズクのつかみ取りや早食い大会が行われた。

 海藻のモズクを本格的な産業として養殖しているのは全国で沖縄だけで、生産量は年間約2万トン、全国生産量の99%以上のシェアを占めている。

 モズクは料理への応用が難しく、レシピが少ないと言われる。沖縄では昔からモズクを三杯酢で食べてきたので「モズク酢」が一般的だ。それ以外には、モズク天ぷら、モズクスープぐらいしか思い付かないのが難点。「普段は食べない」という沖縄県民も結構多い。

 ところが、県外出身者や外国人観光客にはかなり人気がある。米軍もモズクの“よき理解者”だ。

 「モズクの日」に合わせて、うるま市ホワイトビーチ所属の海軍兵が平敷屋漁港の清掃活動を行った。「おかげで気持ちよくモズク漁ができる」とは、漁師や近隣住民の感想だ。

 うるま市はまた、ヒジキも採れる数少ない海岸があることで知られる。毎年3月の干潮時には「ヒジキ収穫祭」と題して、キャンプ・コートニーの海岸が一般開放される。モズクとヒジキを食べられる背景に、米軍の配慮もあるのだ。

(T)