地元紙が無視する知事批判本


沖縄発のコラム:美ら風(ちゅらかじ)

 沖縄の書店では現在、かつてないほど米軍基地絡みの政治関連書籍が売れている。県内最大手ジュンク堂那覇店の10日付の週間ランキングで、ベスト10のうち、実に半数の5冊が入った。そのうち4冊は翁長雄志知事に批判的なものだ。

 初登場1位の竹中明洋著の『沖縄を売った男』(扶桑社)に始まり、6位の知念章著『基地反対運動は嫌いでも、沖縄のことは嫌いにならないでください』(ワニブックス)、7位の高良倉吉著『沖縄問題―リアリズムの視点から』(中央公論新社)、10位の山城幸松著の『沖縄を蝕む「補助金中毒」の真実』(宝島社)と続く。

 沖縄の新聞やテレビでは伝えられることがほとんどない情報が欲しいという県民のニーズを反映した結果だろう。元防衛省職員の知念章氏は、「県外の人に沖縄の実情を知ってもらおうと思って書いたが、正直、ここまで県内で反響があるとは思っていなかった」と驚きを隠さない。

 これら4冊に共通するのは、翁長県政に批判的であることと、沖縄2紙の琉球新報と沖縄タイムスが書評を掲載せず無視していることだ。

 作家で元外務省主任分析官の佐藤優氏は琉球新報のコラムで、2回にわたり『沖縄問題』をこき下ろした。その中で、高良氏以外にも執筆に携わった仲井真弘多元知事の幹部らを「日本の中央政府に過剰迎合するこの人たち」(2月11日付)と名指しで批判し、「沖縄人としての、そして知識人としての良心が問われている」(3月4日付)と書いた。

 『沖縄問題』は1月30日から4週連続1位を記録し、今でも売れ続けている。今月に入り、佐藤氏は『沖縄を売った男』も自身のコラムで非難した。これもロングセラーになる兆しなのだろうか。

(T)