オール沖縄は「排除の論理」
沖縄発のコラム:美ら風(ちゅらかじ)
「沖縄の危機―『平和』が引き起こす暴力の現場」(青林堂)の出版を記念した講演会(主催・一般社団法人日本沖縄政策研究フォーラム)がこのほど、浦添市で行われ、浦添市長選にも話題が及んだ。
地元の宮﨑政久衆院議員は、鳩山由紀夫元首相が2009年、米軍普天間基地(宜野湾市)の移設先を「最低でも県外」と発言したが、その後、撤回したことを引き合いに出し、「浦添市長選でも似たようなことが起きている」と述べた。
那覇軍港の浦添移設について、宮﨑氏は、「松本哲治市長は自らの考えを提示し、きちんと受け入れている」一方で、翁長雄志知事を支える「オール沖縄」陣営が推した又吉健太郎氏は「住民投票にかける」と主張したことを問題視した。宮﨑氏は「反対なら反対と言ったらいい。軍港移設に伴う西海岸の発展は必要になる。いたずらに遅らせることはできない」と又吉氏の政策を辛辣(しんらつ)に批判。
又吉氏が「住民投票」と主張した理由は、「(維新など)移設推進派から反対の共産党まで選挙互助会になっているからだ」と指摘。理念や目指す社会像が全く違う人たちが集まっている「オール沖縄」の限界と矛盾を突いた上で、「『オール沖縄』は一つの幻想であり、差別用語。排除の論理を為政者、リーダーは使うべきではない」と一刀両断した。
松本氏は、「浦添市は今後、米軍キャンプ・キンザーが返還され、大きく飛躍する可能性を秘めている」と指摘。「夕日が見える最高のロケーションでテーマパークでも何でも、誘致して成功すると思う」と自信を示した。
「夢を語るだけではなく、そのために必要な決断をするのが政治家だ」と松本氏は語っていた。(T)