那覇市議会、議長居座り混乱


沖縄発のコラム:美ら風(ちゅらかじ)

 那覇市議会の9月定例会が7日、始まったが、過半数の議員が金城徹議長の辞職を求めて審議に応じない状況が続いている。補正予算や次年度予算案など一切の審議に入ることができず、前代未聞の混乱の様相を呈している。

 7日、議員はいったん議場に着席したものの、金城氏の議事運営に反発し、野党の自民、公明両会派と「なはの翼無所属G」、無所属の会の18人が退席して流会した。

 開会前には、金城氏は自公らの代表と協議をしたが、辞職勧告の理由に納得せず、両者の溝は埋まらなかった。

 8日には、議会運営委員会が開かれ、議会正常化に向け、金城氏の進退を協議したが、議長派が受け入れず物別れに終わった。

 議長に対しては、6月17日に不信任、同29日には抗議決議、8月19日には辞職勧告と三つの議案が賛成多数で可決された。それにもかかわらず、金城氏は議会運営をめぐる不信任の理由に「納得できない」と、かたくなな態度を貫いている。

 那覇市議会の保守陣営で慣例となっている2年での議長の交代という“掟(おきて)”を金城氏が破ったことで、内部からも造反者が出た。また、辞職勧告が出された直後、9月定例会の直前まで南米に出張していたことについても、ある議員は「普通の神経ではない」と怒り心頭だ。自民議員は「共産党寄りの議事運営であることは明らかで、不信感を拭うのは容易ではない」と語る。

 城間幹子市長を支える革新陣営には、議長選になれば野党に議長職を奪われかねないという危機感がある。ただ、三つの議決で擁護の発言をしたのは共産党だけだ。議長の所属会派である新風会からも擁護がないことは、事実上、見放されているに等しい。(T)