空手五輪決定に沸く沖縄
沖縄発のコラム:美ら風(ちゅらかじ)
2020年の東京五輪で空手が正式種目に決まった。五輪採用への挑戦は過去3度あったがいずれも失敗。「4度目の正直」となった。
沖縄県空手道連盟の照屋幸栄会長らは4日、記者会見し「待ちに待った採用だ」と万歳三唱して喜んだ。「沖縄という小さい島から空手が世界に発信され、世界の空手になった」と歓迎、空手発祥の地であるとされている沖縄出身の選手によるメダル獲得を期待した。
翁長雄志知事は「沖縄県の知事として誇らしい。空手の一層の普及発展に大変意義深いもの」とメッセージを寄せ、沖縄での競技の一部開催や、事前合宿誘致などを目指す考えを示した。
記者会見では多くの少年少女空手家が出席。そのうち、空手道・県少年少女選手権大会の「形」部門で6年連続優勝している田場琳奈さん(11)が「セーパイ」と呼ばれる形を披露した後、「夢はオリンピックと世界大会で優勝すること。夢に向かってもっと練習に励みたい」と抱負を語った。
男子個人形の世界王者として日本空手界の形の第一人者である喜友名(きゆな)諒選手(26)=劉衛流龍鳳会=は、東京で開かれた会見で「五輪に出場して、金メダルを取ることが私の夢だった」と喜びを語った。
ただ、現状では、全日本空手道連盟に未加盟の団体は五輪出場ができない。沖縄県には、同連盟傘下の沖縄県空手道連盟のほか、沖縄空手・古武道連盟など合計四つの大きな空手組織がある。
沖縄は空手の発祥の地とされ、世界から空手愛好家が集まってくるが、各組織が垣根を取り払って交流するには至っていない。五輪をきっかけに、分裂状態にある4組織が一つにまとまることに期待したい。(T)