米軍関係事件で謝罪と怒号
沖縄発のコラム:美ら風(ちゅらかじ)
元米軍兵の米国籍男性による女性死体遺棄事件で、沖縄県全体で怒りが広がっている。こうした中、米国の軍人・軍属、民間人らが、米軍基地が所在する北谷町の国道で、行き交う人々に頭を下げ続けていた。
活動を呼び掛けたのは北中城村にあるプロテスタント系教会。ソーシャルメディア(SNS)を通じて知った米国人約100人が参加した。灼熱(しゃくねつ)の中、「沖縄と共に悲しんでいます」と書かれたプラカードを首に下げていた姿が多くのドライバーに目撃された。
たまたま通り掛かった観光客がSNSで紹介すると、この光景が瞬く間に全国の人々の心に響いた。
一方、名護市辺野古の海兵隊キャンプ・シュワブのゲート前とその周辺では、米軍車両の通行を妨げるなど、反基地活動家の運動が過激になっている。
国道329号には、沖縄本島北部のキャンプ・ハンセン(金武町)とキャンプ・シュワブ(名護市)を往復する米軍車両が多い。これを知っている活動家は、道路に飛び出し、「ダイ(死ね)」「ゴーホーム(家に帰れ)」と怒号を浴びせた。近くの沖縄工業高等専門学校の学生らが通学や授業に影響を受けた。
事件を受けて、「沖縄県における犯罪抑止対策推進チーム」が立ち上げられ、「防犯パトロール体制強化」と「安全・安心な環境整備」を2本柱とする対策を講じることを決めた。
具体的には、車両100台規模のパトロール隊を結成し、繁華街などを巡回する。また、夜道の明るさ確保や犯罪が起きにくい街づくりをするため、防犯灯や防犯カメラの設置を進める。米軍人・軍属による犯罪だけでなく反基地活動家による過激な活動に対する抑止力にもなることが期待される。(T)