沖縄本島に降雪、観測史上初


沖縄発のコラム:美ら風(ちゅらかじ)

 沖縄気象台によると、沖縄本島北部の名護市で、24日午後10時半前ごろ、みぞれが観測された。鹿児島県の奄美大島でも24日、1901年2月12日以来、115年ぶりに初雪を観測した。沖縄本島でみぞれが観測されるのは初めてだが、分類上は雪と同じ扱いだ。

 これは西日本を襲った寒波の影響で、九州・沖縄は24日から25日にかけて記録的な寒さとなった。沖縄では強風注意報と低温注意報が同時に発表された。最低気温は5度ほどだったが、強い風の影響もあって体感温度はついに氷点下に。

 21日ごろから、天気予報で「もしかしたら沖縄でも雪が降るかもしれない」と報じられていた。「本当に降るのだろうか」と、家庭、職場や学校などあらゆる場所で雪の話題で持ち切りとなった。皆、半信半疑だったが、本当に降ったから驚きだ。

 沖縄県に雪が降った記録を調べてみると、1977年2月17日、沖縄本島の西に位置する久米島の測候所で初めて雪が観測された。気象庁が公式に発表した降雪記録はこれだけで、日本における降雪の南限記録を塗り替えた。

 琉球国の正史と見なされている「球陽」によると、1774年、1816年など何回か降雪が記録されている。

 沖縄気象台が観測した1日前に、降雪の映像がインターネット上でにぎわった。23日正午ごろ、宜野湾市の西海岸に面するホテルから撮影された動画には雪が舞う様子が映っている。これ以外にも、同日、浦添市や久米島、24日午前に那覇市や名護市で雪らしきものが降る様子が撮影された。

 普段、雪を見ることがない沖縄の子供たちは、寒さを忘れて満喫している様子だった。(T)