「沖縄県は日本」竹田恒泰氏が講演
沖縄発のコラム:美ら風(ちゅらかじ)
明治天皇の玄孫に当たる作家の竹田恒泰氏が12日、沖縄市で講演した。花城大輔県議(自民)が招請した。これまで2000回を超える講演をしてきたなかで、沖縄県の講演は初めて。予定時間を大幅に超える2時間半の講演は、ユーモアにあふれるものだ。
竹田氏は冒頭、昨年の沖縄県知事選と衆院選(沖縄選挙区)で革新系候補が当選し、沖縄県と政府との対決姿勢が鮮明になっていることに「沖縄と本土の対立ができてしまったら、これほど悲しいことはない」と現状を憂えた。
翁長雄志(おながたけし)新知事を支える陣営が「オール沖縄」と主張していることについては、6割に満たなかった投票率からしても得票数は五分五分に近いのであって、「意見は完全に分かれている」と指摘。都合のいいように「(県民の)民意」と叫ぶことの危険性に言及した。
また、中国による尖閣諸島の領空・領海侵犯が全国的には大きなニュースとなっているが、沖縄ではほとんどニュースにならないことを嘆いた。ただ、「中国軍は日米同盟を相手に戦えば負けることが分かっているから攻めてこられない」と分析し、「世界規模の平和の礎が沖縄にある」と強調した。
竹田氏の真骨頂は歴史観だ。沖縄のメディアが「琉球独立論」を支持する論調を展開していることについて、「薩摩による琉球併合がなければ今頃は中国になっていたかもしれない」と指摘。「沖縄が日本なのは“縁”。県民のDNAが示す通り、血筋は日本人である」と訴えた。そして、日本最古の正史である日本書紀および古事記を読むように勧めた。参加者は一様に満足している様子だった。(T)