「米軍基地が沖縄に74%」のウソ
沖縄発のコラム:美ら風(ちゅらかじ)
公益法人日本青年会議所沖縄地区協議会主催の「4政党政治討論会」が27日、那覇市内のホテルで開かれた。自民党副幹事長で元防衛庁長官の中谷元氏、公明党国際局長で元外務大臣政務官の遠山清彦氏、民主党副幹事長で元防衛副大臣の長島昭久氏、日本共産党中央委員会副委員長の小池晃氏の与野党代表4人が、領土・領海、米軍基地、日米地位協定、日米安全保障の4テーマについてそれぞれが見解を述べた。
「討論会」とあったが、4人同士の討議も、会場からの質疑応答もなく、議論の深まりが少なく、物足りないものだった。
各氏の主張で気になったのは、米軍基地のテーマで、遠山、小池両氏が、在沖米軍について「日本国土の0・6%の沖縄に米軍基地が74%集中している」と発言したことだ。この発言は、あたかも在日米軍施設全体の74%が沖縄に存在するという間違った印象を国民に与える。
県知事公室基地対策課発行の「沖縄の米軍および自衛隊基地」(統計資料集、平成25年3月)によると、在日米軍施設(全国)の面積が10万2709ヘクタールに対し、在沖米軍施設の面積は、2万3176ヘクタールで、正確には全国の22・56%。
米軍基地には「在日米軍専用施設」と「自衛隊との共用施設」があり、「在日米軍専用施設」に限定すると、日本全体で3万893ヘクタール、沖縄2万2807ヘクタールで73・83%。「米軍専用施設」という前提でいえば「74%」が沖縄に存在するのは間違いないが、「在日米軍基地の74%が沖縄に存在する」というのは不正確な発言であり、ウソである。この「74%」という数字は、かつて基地反対の大田昌秀知事時代に意図的に使用されたものと言われている。
(H)