海のもしも 118番を正しく知ろう
沖縄発のコラム:美ら風(ちゅらかじ)
海のもしもは118番。
「一緒にいた人が海で流されてしまった」「船が乗り上げてしまった」「密漁船を見つけた」「海に大量の油が浮いている」――海でレジャーをする際に覚えておきたい番号だ。
2000年5月1日、海上における事件・事故の緊急通報番号として運用開始した。管轄する海上保安庁によると、2020年の1年間の通報は全国で45万909件だった。
ところが、このうち、海難事故発生の連絡や不審船などの情報提供に該当したのはわずか1%で、残る99%は無言電話や間違い電話など、緊急性や中身のない通報だ。
沖縄の海域を管轄する海上保安庁第11管区ではこうした通報(非有効架電)は21年で93%。正常な通報(有効架電)は全国平均を大きく上回った。海域面積が広く船舶の航行が盛んな沖縄ならではの結果。なお、全通報のうち、人身事故は3・7%、船舶海難は1・4%、情報提供は1・8%だった。
11管区の担当者は、「無言電話の場合は、折り返して確認をするが、反応がない場合は航空機などを派遣して確認にあたるケースもある」と説明。「緊急性がない内容が長引くと、緊急業務に支障を来す場合がある」とし、正確な通報を求めた。消防の119番か時報の117番と間違えて掛けてしまったケースが多いという。
海保は、元AKB48でモデル・タレントの篠田麻里子さんをポスターに採用している。また、11管区は独自の取り組みとして、コミュニティーFMに出演して周知するほか、飲料水の紙パックへの広告掲載、大型商業施設や巡視船艇を利用した電光掲示板などで周知活動を行っている。ユニークな取り組みとしては、石垣港離島ターミナルの具志堅用高像に周知用のたすきを掛けている。
(T)