沖縄初の五輪金メダルに期待、喜友名が最有力
沖縄発のコラム:美ら風(ちゅらかじ)
東京五輪がいよいよ開幕する。新型コロナウイルス感染の影響で1年延期し、開催そのものが危惧されたが、沖縄ではなぜか五輪開催の是非を問う議論は一切盛り上がらなかった。常日頃、反政府の姿勢を強めている地元メディアだが、五輪開催に反対する論調を見ることはほとんどなかった。
それもそのはずだ。沖縄から過去最多となる10人が代表に選ばれているからだ。当然、地元メディアは選手のメダル獲得に期待を寄せており、反対論などどこ吹く風だ。
その中にはメダル有力選手が複数おり、期待が膨らむのは当然だ。
そのうち、金メダル最有力視されているのは今大会初実施の空手の喜友名諒(きゆなりょう)(劉衛流龍鳳会)だ。ここ数年、世界選手権で負けなしと圧倒的な強さを誇る。
重量挙げでは、男子61㌔級の糸数陽一(警視庁)と73㌔級の宮本昌典(東京国際大職)が出場する。「神の島」と言われる南城市久高島出身の糸数は前回大会で4位入賞、あと一歩でメダルに届かなかっただけに、今回に懸ける思いは誰よりも強いはずだ。
レスリング男子グレコローマンスタイル77㌔級の屋比久翔平(ALSOC)は同競技で沖縄初の五輪切符を手に入れた。目標は金メダルだ。
陸上競技では、津波響樹(大塚製薬)が男子走り幅跳びに出場。陸上競技では実に49年ぶりの快挙だ。
沖縄出身選手の過去の五輪成績を見てみると、メダルはわずかに一つ。バルセロナ大会の体操団体で知念孝氏が銅メダルを獲得しただけ。個人でのメダル獲得者はいない。初の個人メダリストが誕生することを楽しみにしながら観戦したい。
(T)