来年春、やんばる地域がNHK朝ドラの舞台に


沖縄発のコラム:美ら風(ちゅらかじ)

 来年春、NHKの朝の連続テレビ小説「ちむどんどん」が始まる。タイトルの「ちむどんどん」とは胸がわくわくする気持ちを表す沖縄の言葉だが、県内では、地元紙が号外を出すなど、期待が高まっている。

 ドラマでは、沖縄本島北部のやんばるが舞台となる。やんばる地域は、奄美諸島と共に世界自然遺産の登録を目指している。また、自然を生かした大規模テーマパークの建設計画が進められている。地元の関係者からは「やんばるの魅力が広がり、活性化できれば」と熱がこもる。

 沖縄をテーマにしたNHK朝ドラは、2012年放映の「純と愛」以来、10年ぶり。01年の「ちゅらさん」から数えると、3作目となる。22年は沖縄県が日本に復帰して50年の節目。それを記念した企画であることから、希望を与えてくれる作品となってもらいたい。

 さて、主演を務めるのは糸満市出身の黒島結菜(ゆいな)さん。20年には映画「カツベン!」で第43回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞しており、演技力は折り紙付きだ。沖縄出身の連続テレビ小説ヒロインは、01年「ちゅらさん」の国仲涼子さん、07年「どんど晴れ」の比嘉愛未さん、20年「エール」の二階堂ふみさんが演じている。

 昨年からの新型コロナウイルス感染の影響で、観光への依存度が高い沖縄経済が停滞している。放送決定を受け、玉城デニー知事は県議会で「朝ドラが久しぶりに沖縄が舞台で、全国に発信できる。県出身の黒島結菜さんがヒロインで、県民が一つになって応援していけるという方向性は必ず沖縄観光の復活にも、私たちの大きな希望にもなる」と述べた。

 「ちゅらさん」は沖縄ブームの火付け役となったが、それに次ぐブームが到来するのか。

(T)