注目集まる嘉間良、米副大統領候補と同名?
沖縄発のコラム:美ら風(ちゅらかじ)
米大統領選挙でマスコミ報道を受けてバイデン氏が「勝利宣言」をする中、沖縄では副大統領候補のカマラ・ハリス上院議員の名前に注目が集まっている。ファーストネームと沖縄市嘉間良(かまら)の読み方が同じという理由でだ。
玉城デニー知事は、自身のツイッターに、ハリス氏を沖縄に招いて「各国の女性リーダー的方々のサミットを沖縄で開催したい」と投稿。このツイートを知ってかどうかは定かではないが、加藤勝信官房長官は10日の記者会見で、「地元で話題になっていることは、報道でも承知している。読み方が同じというのは一つの縁ではないか」と述べた。
「勝利宣言」があった翌日の9日、嘉間良公民館に、新聞やテレビ局などから取材申し込みが殺到したという。自治会長の普久原毅さん(61)は、大統領選が接戦になったせいかマスコミの反応はすごく、「戸惑っている」と言う。「コロナで沈んだ状況の中で皆が笑顔になっている。小浜市の時みたいに嘉間良も有名になれば」と話す。ただ、地元の生活は「いたって普段通りだ」と話す。
嘉間良は戦前、ほとんどが畑の農村だったという。終戦後は米軍キャンプに隣接して収容地区が造られた。一方で、近隣の胡屋(ごや)、胡座(こざ)、安慶田(あげだ)は知名度も高い。商店街があってそれなりに活気がある。それだけに、嘉間良は素通りされやすい。観光客が来てもめぼしい見どころがないのは事実だ。
嘉間良バス停の近くを通りかかった女性は、「ここに来ても何もないよ」とそっけない。多くの記者もネタ探しに来ても、「公民館だけ取材して帰ったさー」と打ち明けてくれた。別れ際、「あ、そういえば最近、(回転寿司チェーンの)スシローができた」とうれしそうに話した。
(T)