高齢者の新型コロナウイルス感染予防には


沖縄発のコラム:美ら風(ちゅらかじ)

 沖縄県の人口比の新型コロナウイルス感染者数はここ1週間、全国ワーストを続けている。

 その特徴は県外からの移入例が多いことと家族間の感染例が多いこと。そして、高齢者の死亡例も多い。

 デイケア(通所リハビリテーション)など介護サービスを行う高齢者用の施設が閉鎖され、一日中自宅にいることを余儀なくされた老人が家族から感染したという例もある。

 こうした高齢者用の施設は、ウイルスを持ち込ませないように、常に緊張状態で仕事をしている。家族であっても面会できない所が多い。差し入れを持って行っても、本人に会うことができず、職員を通じて渡してもらうことになる。

 こうした中、コロナウイルス感染予防のため外出や人との接触を控えている高齢者を地域でどう支えるかをテーマにした勉強会がこのほど、那覇市で開かれた。

 参加者は、地域の高齢者から「知り合いの顔が見られず寂しい」「散歩など体を動かす機会がなくなった」などの悩みを聞いた。

 沖縄県立中部病院感染症内科・地域ケア科の高山義浩医師は、「基本的にマスクを着用して手指の衛生を心掛けていれば(人と)会うことはダメではない」とし、「玄関先の少し風通しのいい所で話を聞くことは、その地域で(コロナが)流行しているときであっても躊躇(ちゅうちょ)なく行って良い」との考えを示した。

 また、家庭内で感染を広げないためには、症状のある人は①できるだけ自室から出ず食事は自室でとる②寒くならない程度の換気をこまめにする③部屋を出るときや家族と同じ部屋で過ごす場合はマスクを着用し、アルコールまたは石鹸で手指衛生を行う――ことの徹底を求めた。

(T)