テレワークがストレスにーフランスから


地球だより

 とうとう大手コンサル会社に勤めるフランスの友人が新型コロナウイルスに感染した。ところが20年以上トライアスロンを趣味にしている40代の彼は、自宅隔離期間中もピンピンとしていて、すでに出社している。

 夏のバカンス前はテレワークだったそうだが、バカンス明けの9月からは出社していた。会社からはテレワークを提案されたが、その提案を拒否し、パリ西郊外のブローニュ・ビアンクールの自宅からパリ中心部に通勤していた。

 友人はテレワークを拒否し、職場に通っていたのがコロナで陽性反応が出たため、自宅隔離になった。自宅隔離中、仕事を継続する義務はないので一切仕事はしなかった。そもそもテレワークを拒否した理由がフランス人らしい。

 彼曰く、「テレワークをしてみて不快だったのは、自宅に仕事を持ち込み、プライベートな時間がかき乱されたことだ」という。

 仕事とプライベートをきっちり分けるフランス人にとって、自宅のパソコン画面の向こう側に上司や同僚、クライアントの顔があるとストレスが溜(た)まる。友人からは何度もそんな不満を聞いていた。

 友人は「テレワークしていると自宅にいる自分が会社に監視されているようで、居心地が悪かった。上司が自分を信頼していないと感じ、不快だった」という。それと驚くべきはコロナ感染した友人を含め、フランス人の多くに感染第2波への恐怖心がないことだ。友人は通勤を続けるそうだ。

(A)