「ゆいレール」新設駅周辺の整備は未完成


沖縄発のコラム:美ら風(ちゅらかじ)

 「ゆいレール」の愛称で親しまれる沖縄都市モノレールの延長区間が開業したのは昨年10月1日。ちょうど1年後、実際に乗車してみて、駅周辺の整備が中途半端であることが分かった。

 以前の終点は首里駅だったが、浦添市のてだこ浦西駅まで4駅延伸された。この区間は、平日昼間の時間帯は、乗客が少ないが、周辺の住民にとって通勤や通学が断然便利になったことは事実。ある私立高校2年の女子生徒は、「乗り換えしないで学校に行けるようになって助かる」と話す。

 ところが、新設駅から見える駅周辺の整備は終わっていないのだ。

 首里駅の次の石嶺駅は、駅東側の交通広場が半年前に完成したが、西側の道路整備が進んでいない。次の経塚駅は交通広場が未完成のままだ。浦添市によると、南側広場は来年度中に完成するが、北側については未定だという。

 浦添前田駅は、浦添城跡などの観光地や総合スポーツ・イベント施設への玄関口として多くの利用が期待されているが、コロナ禍の影響もあり、案内板、園路、Wi-Fiなど観光周遊のための設備は未整備だ。

 そして、新たな終点、浦添てだこ駅は立派な駅前広場と立体駐車場ができているが、それだけだ。近くにはコンビニすらなく、夜になると薄暗い。駅周辺は区画整理地域で、将来的には大型ショッピングセンター、リゾートホテル、マンションが建つ。ただ、これらの開業予定は6年後。それまでずっと工事現場の風景を眺め続けるのかと思うと、気が遠くなる。

 時代は急速に変化している。のんびり時間が流れる「ウチナータイム」ではなく、もっとスピード感をもって工事・開発をしてもらいたいものだ。

(T)