ツイートの数字を訂正しない玉城デニー知事
沖縄発のコラム:美ら風(ちゅらかじ)
「大型連休に沖縄へ来る予定の方が航空会社の予約によると6万人余りいるとのこと。残念ですが沖縄は非常事態宣言の体制で充分なおもてなしは到底できません。離島を含め医療体制も非常事態です。どうか今の沖縄への旅はキャンセルして受け入れ可能な時期までお待ち下さい」
玉城デニー知事は4月26日、ツイッターにこう書き込み、県外の人に対して沖縄訪問自粛を要請した。
沖縄便の座席予約総数で判断したため誤解を生み、数字だけが独り歩きすることになった。1人の往復利用や離島への移動がカウントされたため、実際の人数を正確に反映していない。国土交通省は連休期間中に沖縄を訪れる予想人数を1万5千人と発表。玉城知事があげた数字を事実上訂正した。
しかし、知事のツイートは3万7千人もの人によってリツイート(拡散)された。「6万人」という言葉が国内のメディアに広く報じられ、海外の大手メディアにまでも引用されてしまった。
連休期間中の那覇空港は連休前と変わらず閑散としており、期間中に沖縄を訪れた人は1万人にも満たないことが推測される。
実際、レンタカーショップも9割程度の車が貸し出されておらず、連休中は県内で目立った渋滞は発生しなかった。
知事選ではSNSを駆使し、若者から一定の支持を得た玉城氏だが、新型コロナウイルス感染の問題で発信したのは自身のマスクを紹介した4月12日が初めて。県内養豚場で豚熱(豚コレラ、CSF)が確認された1月から3カ月ぶりだった。5日現在、玉城氏はツイート内容を訂正していない。沖縄県知事は影響力があるだけに、発言には慎重さが求められる。
(T)