県蝶にオオゴマダラ、沖縄の新たなシンボル制定


沖縄発のコラム:美ら風(ちゅらかじ)

 沖縄県は1日付で、沖縄の新たなシンボルとなる「県蝶」に「オオゴマダラ」を制定した。「県のシンボル」はこれまで、県章、県歌のほか、県花「デイゴ」、県木「リュウキュウマツ」、県鳥「ノグチゲラ」など六つが制定されている。

 県がシンボルを制定するのは48年ぶりで、県蝶は7番目。

 県によると、都道府県が県蝶を指定するのは、埼玉県の「ミドリシジミ」に次いで全国で2例目。

 オオゴマダラはタテハチョウ科で、日本のチョウとしては最大種。国内では鹿児島の喜界島以南にしか生息しておらず、すでに沖縄の蝶として全国的に認知度は高い。白地に黒いまだら模様がある。さなぎは黄金色で、ゆっくりと優雅に飛ぶのが特徴で、県内外に愛好家は多い。

 自然に那覇市の漫湖公園内にある「ちょうちょガーデン」、同市内のロワジールホテル、糸満市の沖縄県平和祈念公園内などで観賞することができる。

 県は「制定を機に、オオゴマダラをはじめとする身近な生き物を通して、沖縄独自の自然の豊かさに理解を深め、自然環境を守り育てる意識の向上につながるよう周知・啓発に努める」とコメントを発表している。

 オオゴマダラは「沖縄県の蝶制定県民の会」などが2017年に実施した「はーべーる総選挙」で2位のリュウキュウアサギマダラなどを引き離し、圧倒的な得票を獲得した。こうした機運を踏まえ、パブリックコメントを経て、県が設置した生物専門家らによる検討委員会、沖縄県自然環境保全審議会で検討し、指定を推薦。検討委の宮城邦治委員長(沖縄国際大学名誉教授)は「世界自然遺産の登録に向け琉球列島の自然が注目されている。県蝶の制定で関心がより高まれば」と期待を示していた。

(T)