那覇空港の第2滑走路が供用を開始


沖縄発のコラム:美ら風(ちゅらかじ)

 3月26日、供用された。午前8時すぎ、第1機となる中部国際空港発のスカイマーク機が新滑走路に降り立った。

 タイミングが悪いことに、新型コロナウイルスの影響で供用開始日は、国際便がすべて運休。空港は閑散としていた。

 29日には祝賀イベントが行われたが、またもやそれに水を差すかのように、28日と29日には東京都が不要不急の外出の自粛を要請。それに呼応するように、周辺の県が東京に出掛けないよう促した。関東の人々のほとんどは、国内旅行の際に羽田空港を利用する。関東圏からの来沖観光客はさらに減った。

 第2滑走路ができたことにより、那覇空港の年間発着回数は現在の約1・8倍の年24万回に増える。その上、24時間運用が可能になり、利便性は格段に良くなった。29日の沖縄発着便を調べてみると、航空便の遅延はなく、ほとんどの航空機が定時より前に着陸するという、かつてない現象が起きた。

 那覇空港はこれまで、長さ3000㍍の滑走路1本で運用してきた。国内の滑走路1本の空港としては、福岡空港に次ぐ発着回数だった。しかも、那覇空港は自衛隊と共同使用しているため、実質的に日本一混雑する空港だった。

 第2滑走路は現在の滑走路の沖合約1300㍍の位置にあり、長さ2700㍍で幅60㍍。その面積は約160㌶で、約1000万立方㍍の土砂を使ってサンゴ礁が広がる浅瀬を埋め立てた。

 なお、普天間飛行場(宜野湾市)の代替施設の建設が進む名護市辺野古沖の埋め立て面積は、160㌶で、ほぼ同規模だ。環境保護団体から、滑走路建設に反対する運動は起きなかったことを付記しておく。

(T)