外出禁止の悩みは運動不足
地球だより
フランス全土に外出禁止令が出されてから2週間が経過した。本来はこれで終わるはずだったが、新型コロナウイルス対策の専門家会議が6週間は必要という見解を出し、4月15日まで延長された。17日に措置が施行されてから5日間で9万人の違反者が出たため、取り締まりが強化されている。
フランスでは2015年秋にパリで130人以上の犠牲者を出す同時テロが起きた時、2年間も非常事態宣言が続いた。その時は個人への監視や公道での職務質問、家宅捜査など警察権限が強化されたが、今回は全土で外出が制限される前代未聞の措置が取られている。
ロックダウン(都市封鎖)下にあるパリの町中は、唯一移動が許されている医療関係者の車と宅配便のバイクしか走っておらず、ゴーストタウンと化している。時折り自宅から1キロ圏内を1時間だけ許されるジョギング姿の市民を見掛けるくらいだ。
そこで市民は、日々をどのように過ごしているかをンターネット交流サイト(SNS)に投稿し、情報交換しながら励まし合っている。日頃、カフェで語り合い、週末には親戚や友人の家で食事を楽しむフランス人にとってコミュニケーション不足は苦痛だ。
それより最大の課題は運動不足。夫婦で音楽に合わせて庭やリビングで体操する姿や、食卓テーブルで卓球する親子の動画などがネット上で行き交っている。動画投稿サイトのユーチューブでは、自宅でできるエクササイズ動画の再生回数が400万回を超えるなど、自宅待機で最も関心があるのは運動不足解消といっても言い過ぎではない。
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