「琉球国」が正式名称、知念章氏が講演


沖縄発のコラム:美ら風(ちゅらかじ)

 公益社団法人アパ日本再興財団主催の「真の近現代史観」懸賞論文で佳作を受賞した週刊紙グッドニュース沖縄編集長の知念章氏がこのほど、「『琉球王国』という幻想」と題して講演した。

 同財団は、日本の歴史観が戦後、連合国軍総司令部(GHQ)の指導でつくられた部分が大きいため、捏造(ねつぞう)された歴史観を修正しようという趣旨で懸賞論文の応募を始めた。

 「そもそも『琉球王国』という名前は戦後、屋良朝苗主席(現在の県知事)が本土復帰運動と観光誘致のために使用し普及された俗称だ。正確な名称は『琉球国』。『王国』というと外国のように何かきらびやかな印象を与え、あたかも琉球は日本に侵略されたという歴史観が確立されてしまう」

 こう述べた知念氏は、そもそも「江戸時代の琉球は独立国」ではないと断ずる。「琉球」という名称は中国が名付けた蔑称だという。「流求」(溺れ助けを求む)が言葉の由来で、一般的なイメージとはかなり違う。

 明治政府が琉球を近代日本に組み入れ、鹿児島県の管轄下に置かれるようになった実質的な廃藩置県である「琉球処分」についても、現代の沖縄に関する歴史書は、薩摩による「侵攻」「占領」「侵略」に書き換えたと指摘する。琉球国が存在したのは15世紀半ばから約450年間とされる。

 「その当時は白人至上主義で、西欧列強の脅威から沖縄をいかに守るのか、という要素が強かった。その観点こそが近現代史の正しい見方だ」と強調した。

 参加者の多くは、「目から鱗が落ちた」と語り、歴史を正しく学ぶことの大切さを実感していた。

(T)