沖縄は米中対立の最前線基地という認識が必要


沖縄発のコラム:美ら風(ちゅらかじ)

 米中の覇権争いは決して対岸の火事ではない。

 「2大国の争いの最前線基地が沖縄であるという認識が必要だ」と訴えるのは一般法人JCUのあえば直道(じきどう)議長だ。JCUは、米国最大の草の根保守団体、アメリカ保守連合(ACU)の日本版だ。2015人に産経新聞社取締役の江口峻氏が創設し、あえば氏が議長を務める。

 JCUは24日、「沖縄から日本を知る」をテーマにしたセミナーを沖縄県浦添市で開催した。

 「前線で戦って血を流すものではなく、情報・通信戦や外交戦が現在の戦争形態。その最も激しい争いが米国と中国の戦いだ。世界を二分する2国の戦いに日本は巻き込まれている」

 あえば氏は、敗戦を味わった日本は勝つ側、すなわち米国に付くのが賢明だと訴えた。

 日本で両国の影響を最も大きく受けている地域は沖縄だ。「沖縄は米軍基地が多く、沖縄の経済にも影響を与えている」一方で、「昔から中国の影響を受け、現在は中国と仲良くしたい勢力が県知事を送り出した」と話す。

 沖縄の次の選挙は、地方議会、県知事、国会議員にかかわらず、アメリカと組んで仕事をすると明言する代表を送り出すべきだとした上で、「沖縄の伝統を踏まえて国益を優先する政治家の中から、いずれは沖縄初の首相が誕生しますように」と期待を込めて話すと、会場からは拍手が起きた。

 セミナーではまた、波上宮の大山晋吾禰宜(ねぎ)も講演した。沖縄県民の信仰心や先祖崇拝、家族の強いつながり、さらには、天皇陛下に対する思いを例に挙げ、沖縄ほど敬神崇祖尊王愛国の精神が宿っている地域はないと強調。元気をなくしつつある日本に活力を与えるのが沖縄だと訴えた。

(T)