「初年次教育」は全大学の9割実施、補習は約半数
大学生の質の低下が言われて久しい。大学も教育内容の改善など、さまざまな改革に取り組んでいるが、文部科学省の調査によると、新入生向けに論文の書き方やプレゼンテーションの技法、学問の動機付けなどを教える「初年次教育」を実施する大学は、平成23年度の時点で、651大学(全体の88%)になった。
高校までの受け身的な学習態度から、自主的な学習態度に転換するのが大きな目的だ。
高校で未履修の科目があることを配慮して補習を行っているのは全体の半数近い347大学。
アメリカの大学で一般的に行われている成績評価法のGPA制度(科目ごとの成績をポイント化し、卒業判定や個別の指導に利用)の導入は、21年度の360大学から453大学(同61%)に増えた。
一方、国際化の点では、「英語による授業」を実施しているのは222大学(同30%)、海外の大学との単位互換を実施している大学は336大学(同44%)で、いずれも2年前より増えている。
日本の大学は授業に出なくても単位が取れる、簡単に卒業できるといった声さえある。改善には、小中高から意欲を高める意識改革が必要だろう。