冷遇される博士課程卒 24.8%がフリーター
平成25年の大学学部者卒の就職率は67.3%と、3年連続で上昇した。一方、大学院では修士卒73.7%に対して、博士卒は65.9%。学部卒者より低い就職率だ。しかも、博士卒就職者のうち、正規職員でない者は15.3%。多くはポストドクターという任期付き採用の研究員である。
突出して多いのが、高学歴プアと称されるフリーター。博士課程修了後、「就職も進学もしていない者」は18.7%、「一時的な仕事に就いた者」が6.1%、両者あわせて24.8%に上る。10年前の就職状況からみれば改善がみられるが、日本ほど博士卒者が冷遇されている国はない。
高学歴プアが生まれる理由は、一つは大学院教育が量的拡大に走り、教育の質の向上が伴わなかったこと。一つは、企業側に専門的能力を生かす体制が整っていないからだ。
米国では大学院教育が専門教育機関として機能しており、高学歴者ほど社会や企業ニーズは高い。
博士課程卒の4人に1人がきちんとした仕事に就くことができない。こうした就職難を反映して、日本の学生は大学院進学を敬遠する傾向にある。博士課程で学ぶのは、意欲的な外国人学生という皮肉な結果を招いている。