刑法犯少年の検挙減少も 低年齢化する性犯罪
警察庁の発表によると、今年上半期の刑法犯少年の検挙人数は、約1万9400人。同期としては平成15年から13年連続の減少となった。人口比も17年から11年連続で減少した。刑法犯の減少には、万引きや自転車盗など「初発型非行」が大幅に減ったことが影響した。
その一方で目を引くのは性犯罪の低年齢化だ。検挙人数は3年前から高止まりするとともに、中学生の検挙・補導が153人と、高校生71人の2.2倍になっている。
その要因としては、スマホの普及などで、中学生でもわいせつな画像や動画に簡単にアクセスできるようになったことが考えられる。こうした情報社会の「負」の面に対しては、情報機器を与える大人の責任として対策を練る必要があるだろう。
さらに、もう一つの特徴は、再犯者率の高さだ。再犯者の数は、7179人で前年同期よりも1046人減った。しかし、再犯者率は37%と、6年連続の増加となり、統計のある平成元年以降、最も高くなった。
再犯には本人の資質とともに、周囲の人間との関係が大きく影響することから、再犯防止は健全な人間関係をどう体験させることができるかという教育的な課題でもある。