若者のHIV感染が最多 リスク高い男性間性接触
わが国のエイズウイルス(HIV)感染は2008年以降高止まり状況だ。中でも、若い世代での感染拡大と、「同性間の性的接触」で感染する割合が高まっており、この層での予防対策が重要になっている。
厚生労働省によると、昨年報告された新規感染者は1091人。このうち、20代は349人で、統計を取り始めた1985年以降最多だった。また、感染者のうち、男女間の性行為による感性は全体の16.4%。これに対して、同性間は72.3%と圧倒的に多くなっている。
同性間の感染は2000年には5割を下回っていたが、05年63.6%、10年69.2%と、年々増える傾向にある。同性間と言っても、男性がほとんどを占めており、ゲイがHIV感染のハイリスク層になっている。
エイズ教育となると、感染者への差別がテーマになることが多い。男性同士の性的接触がHIV感染のハイリスク行為であることを指摘するのは、差別につながるとして忌避されがちだ。性に関することで、言及しづらい面もある。
だが、核心は予防だ。感染者を減らためには、同性の性行為による感染リスクも含め、若者にエイズに対する正しい情報を伝えることが大切である。