増え続ける少年少女の「振り込め詐欺」加担
このところ、振り込め詐欺で検挙される少年の増加が問題になっている。警察庁が2月に公表した「少年非行情勢」によると、昨年1年間に振り込め詐欺で検挙された少年は311人(前年比18.7%増)に上っている。この2年で2倍、統計を取り始めた平成21年(33人)のほぼ10倍だ。他の少年犯罪の数値が横ばいか減少傾向を示す中、振り込め詐欺犯の増加ぶりが目立つ。
検挙された少年のうち、現金を受け取る「受け子」が220人。中には、14歳の女子中学生が警察官を装って電話をかけ、「口座情報が暴力団に漏れるおそれがある。お金を別の銀行に預けた方がいい。女性職員に取りに行かせる」と語って自身で被害者宅を訪れるなど、中高生が電話をかけて現金をだまし取ろうとするケースも少なくない。
罪悪感が薄く、気軽なアルバイト感覚で関わっている状況がうかがえる。
警察の「だまされた振り作戦」などで受け子や見張り役の検挙は進んでいるという。警察庁は、少年が受け子として詐欺に加担することを防止する取り組みを強化するとしている、同時に家庭と学校とが協力して道徳教育に力を入れる必要があるだろう。