私大教員の半数以上が「学生に主体性なし」回答
中央教育審議会が昨年末に答申した新たな大学入試制度は、思考力や判断力、表現力などを見るというもので、背景には大学生の基礎学力や意欲の低下があると言われる。
公益社団法人私立大学情報教育協会がまとめた「私立大学教員の授業改善白書」(平成25年度、251大学の教員約16400名が回答)にも、そうした大学生の実情が表れている。
調査によると、私大教員の半数以上が「学生たちは授業には参加するが、自分から学び考える積極性がない」と感じていた。質問内容は少し違うが3年前の前回調査では「自発的に質問・発言しようとしない」が4割だった。学生たちに主体性、積極性が欠けていると感じる教員が増えている。
また、「基礎学力が不足している」「意欲が不足している」は約4割。学力不足という回答は理学系では半数を超えた。
基礎学力に差があるため、計画通りの授業が難しいと感じている教員も4割以上。そして、教員が取り組むべき対策として、「学生の主体性を促す課題探求型・学生参加型・双方向型・フィールドワークなどによる授業」、つまり受け身から能動的な授業に転換する必要があるという回答が6割超。学生が主体的に取り組むというのが大学教育の一般的イメージだが、そこからかけ離れた現状が浮び上がってくる。