米国の日本人留学生2万人割れ、ピーク時の6割減に


米国の日本人留学生2万人割れ、ピーク時の6割減に

各国の在米大学院留学生数の推移と日本人留学生

 米国の国際教育研究所(IIE)のまとめによると、2013~14年に米国で学ぶ日本人留学生数は2万人を割り込んだ。学部、大学院、語学学校すべて合わせて19568人。ピーク時より約6割減少した。

 一方、最も多いのは中国人留学生。235597人に上り、13年間で約4倍に増えた。中国、インド、韓国、サウジアラビア、カナダ、台湾に次いで、日本は7位に後退している。米国における日本の存在感の急落ぶりがうかがえる。

 大学院留学はさらに深刻だ。2013~14年に中国10万4千人、インド5万5千人、韓国2万人に対して、日本は4千人を下回った。これは中東、メキシコより少ない。

 米留学激減の背景には、少子化と国内に英語で学ぶ環境が整ってきたこと。中国や台湾など米国以外の国を選択する、留学先の多様化などがある。とくに、学費値上げで大学費用高騰が続く米国留学は、メリットが薄れてきている。

 近年、米国での日本の発言力が弱まっている。米国留学離れが続くと、国益を大きく損ねかねない。高度なグローバル人材の育成、国際競争力という観点からしても決して好ましいことではない。