増える施設での保育事故 国の保育基準で防げるか


増える施設での保育事故 国の保育基

地方自治体から厚生労働省に通知された保育所等の事故件数

 子供の保育事故が後を絶たない。厚生労働省に報告された保育所等での死亡事故は年々増加。平成25年は認可(4件)、認可外(15件)合わせて19件起きている。この4年間で64件、認可外(47件)が認可(17件)を大きく上回っている。

 死亡事故の大半は睡眠中に発生しており、年齢は0・1・2歳の低年齢児だ。また30日以上負傷等の事故も認可だけでも4年間で345件起こっている。

 政府は「子ども・子育て支援新制度」の実施に向け、保育事故の再発防止策を検討している。有識者検討会のまとめによると、死亡や30日以上負傷の事故報告を自治体に義務づけ、事故内容もデータベース化し公表する方向で検討中だ。事故防止のためには必要な措置である。

 ただ、保育施設の拡充で、ベテラン保育士不足は深刻だ。さらにオムツがとれない、キレやすいなど、かつては少なかった子供の異変が目立っている。

 国の保育士基準は、0歳児は3人に1人、1・2歳児は6人に1人、3歳児は20人に1人。これは戦後まもなく児童福祉法で定められた児童福祉施設最低基準のままである。これで保育事故を防ぐことができるのか。保育現場からは疑問視する声が強い。