日本のエイズ感染者・患者ともに高止まりで推移
12月1日は世界エイズデー。しかし最近はエイズ問題がメディアに取り上げられることが少なくなって、社会的な関心は薄れている。ただ、日本は主要な先進国の中で唯一、患者が増加傾向にある。抗ウイルス薬の開発などにより、他の先進国で減少傾向にあるのとは対照的だ。
日本国内で昨年1年間に報告された感染者は1106人、患者は過去最多の484人だった。感染者と患者の合計1590人も過去最多だ。ここ数年は感染者、患者とも高止まりで推移しており、今年は9月28日までに1138人が報告されている。発症して初めて感染に気づくケースも約3割に上るという。
患者の感染原因は、男性同性間性的接触による感染が約7割、異性間性的接触の感染は2割だが、患者では56%と24%で、同性間の割合が低下する。感染しても薬を服用し続ければ普通の生活を送れる一方、発症すればさまざまな疾患を引き起こす怖い病気であることに変わりない。
メディアでは、「根強い偏見」「差別すべきでない」といった言い方で取り上げられることが多いが、その前に性行為による感染が中心である以上、「自己抑制」による予防を訴えるべきだろう。