大学入試英語4技能判定へ/教員の英語力どう上げるか
大学入試英語で「読む」「書く」に加えて「聞く」「話す」の4技能判定化が議論されている。具体的には、TOEFLやTOEICなど世界的な英語能力試験の活用だ。
日本英語検定協会が主要国公私立大学に行った緊急調査では、4技能化に賛成は66%だが、大学独自で4技能試験の実施は難しいという回答だ。
一部大学では、AO入試や推薦入試に英検やTOEICなど外部試験を活用しているが、大学入試英語が4技能判定化になれば英語教育は大きく変わる。
ただ、4技能試験になれば英語を使えるようになるというものでもない。「試験対策に留まる恐れがある」「試験だけでは不十分で、英語を使用する機会や環境が必要」というのが関係者の意見だ。
「英語教育実施状況調査」によれば、公立の英語教員で英検準1級以上相当は小学校0.8%、中学校27.9%、高校52.7%だ。政府は2017年までに英検準1級相当を中学で50%、高校で75%を目標として掲げるが、4技能化となれば、もっと高い英語力・指導力が求められる。
入試に外部試験を活用するのは簡単だが、英語の教育現場を変えるには時間をかけた議論が必要だ。