居所不明の不就学児童生徒、397人は氷山の一角
今年の「学校基本調査」で公表された居所不明の不就学学齢・児童生徒の数は397人と前年より300人減少した。
3年前の平成23年には、学校現場が居所不明調査を厳密に行ったことで、300人前後で推移していたのが、1191人に跳ね上がった。その後、3年連続で減少し、300人台に落ち着いた。
だが、実際はもっと多い。社会にその存在すら認知されていない、戸籍も住民票もない子供がいるからだ。行政データにも載らない子供は、当然、乳幼児検診の案内も、入学通知も送られることはない。
また、日本に住む外国人の子供は調査対象になっていない。産経新聞の独自調査では、所在不明の外国籍児童生徒は1603人に上るという。
未婚のままひそかに子供を出産し、届出もせず、社会との接点すらない孤立状態にあるシングルマザー。その存在を誰にも知られず、無造作に置き去りにされる子供たち。厚生労働省の調査によると、親の育児放棄による子供の置き去りは平成22~24年の3年間で667件起こっている。
居所不明の397人は氷山の一角。水面下で子供の命が危機にさらされる、深刻な家庭破壊が進んでいる。