子供の貧困、最悪の16.3%家族の安定こそ未来投資
厚生労働省の国民生活基礎調査によると子供の貧困率が16.3%と過去最悪を更新した。
子供の貧困率とは、貧困線(等価可処分所得の中央値の半分)を下回る世帯で暮らす18歳未満の子供の割合を示す。平成24年の貧困線は122万円となっている。
子供がいる現役世帯(世帯主が18歳以上65歳未満)でみると、大人が2人以上の世帯では12.4%だが、母子・父子家庭など大人が1人の世帯では54.6%。実に2世帯に1世帯が貧困線の122万円を下回るという、厳しい現実だ。
1人親と未婚の子のみの世帯は昭和61年の72.2万人から平成25年は91.2万人に増えている。親の離婚を背景に子供の貧困が深刻化してきたわけだが、経済的な理由で教育を受けられない子供が増えていくと、将来さらに経済格差が拡大してしまう。
政府の教育再生実行会議の第5次提言では、教育は未来への投資であると、幼児教育の段階的無償化と義務化を打ち出した。だが財源が確保されているわけではない。
子供の貧困率の上昇は、日本の家族基盤の脆弱化を示している。教育投資はもちろんだが、家族を安定化させることこそ一番の未来への投資につながる。