家事・育児は名目GDPの3割!?
家事、育児などの「無償労働」を金額に換算すると、平成23年は138兆5000億円余りに上るという推計を、内閣府の経済社会総合研究所がまとめている。
推計は5年ごとに行われ、総務省の「社会生活基本調査」をもとに活動時間や男女別、年齢別の賃金などから算出している。23年は過去最高となり、名目GDP(国内総生産)の29.4%に相当する。
内訳は、炊事や洗濯など「家事」が88兆5990億円で全体の64%。「買物」が27兆1640億円、「育児」14兆8400億円、「介護」3兆4220億円、「社会活動」(ボランティアなど)が4兆4820億円。
今回の推計について、内閣府は「女性の社会進出が進み、家事や育児の一部を企業や保育所などに任せれば、産業が振興して経済成長につながる可能性がある」としている(産経新聞9月30日付)。
しかし、家事や育児には「親の愛情」など金額に換算できない付加価値が加わっている。専業主婦と家事などの無償労働に対して否定的に見る風潮が一部にあるが、実際は経済成長だけでは評価できない家族の大きな価値が込められ、社会に貢献していることを忘れてはなるまい。