基本的生活習慣や読書のすすめ、学力向上に影響
文部科学省は、昨年4月の全国学力テスト(小6と中3対象)を基にした、家庭環境と学力に関する分析結果を先月公表した。
この中では、両親の学歴や収入など家庭状況との関係と合わせて、生活習慣や親子のコミュニケーション、読書のすすめなども学力に影響することが示された。
例えば「決まった時刻に起きる」習慣がある子供とない子供では、小6国語の正答率で11%の差があった。
親の学歴や世帯収入が高くない家庭で学力上位に入っている子供について、報告書は「朝食を毎日とる、規則正しい就寝時間、ゲームのやり過ぎに気をつけるなど基本的生活習慣」「子供に本や新聞を読むようにすすめたり、絵本の読み聞かせをしている」「ふだんから子供と勉強や成績について話をする」「保護者が学校行事によく参加している」などの傾向が見られると指摘。いわば「当たり前のこと」が家庭の経済状況による学力の差を克服する支えになっているというわけだ。
家庭の教育力が低下していると言われ、女性の社会進出が強調される中、こうした親子の関わりを強くするような家族支援を進める必要がありそうだ。