心の余裕を持って子供や部下を育てるには


 最近、学生時代の友人から孫の写真と近況を知らせるメールが届いた。1歳になるかならないかのお孫さんが家庭菜園で育てたサツマイモをおいしそうに食べたり、丹精込めて育てた大根の煮物を食べて、顔いっぱいの表情で“ジイジ”にアピールしている姿が、かわいらしい。

 嫁に行った娘や嫁をもらった息子がいる、わが家には、まだ孫はいない。うらやましいと思う半面、孫育ても大変だな、と思ったりする。忙しいであろう親の代わりに、いろんな場所に連れていって、さまざまな体験をさせてあげる。カネと時間と心の余裕がないとなかなかできないことだろう。

 そんなことを思いながら返信したら「心の余裕は持つようにしているが、貧乏暇なしで時間とカネは思うようになりませんね」と返信があった。“老後の余裕”があるからだろうな、とも思った。自分の子育て世代(20歳代後半から30歳代)だった頃を振り返ると、会社でバリバリ働く時期で、とても子育てに取り組む余裕は持てず、妻任せだった。

 大学や高校を卒業した新入社員は現場で厳しく仕込まれ、仕事のイロハ、基礎をつくる時代で会社が当人に投資する時期、30~40歳代になってやっと会社に利益をもたらす。40~50歳代に現場の指導的立場に。その後、課長とか部長という立場になり、その時期を過ぎて役員になったり、“のれん分け”して独立したりということになる。

 仕事場であったり、家族との関係であったり、人生にはさまざまな場面が生じる。その場で“心の余裕”が持てるようになるには、相手(子供であったり、部下であったり)が成長する姿に寄り添って共に喜ぶことだろうと近年思うようになった。「後悔先に立たず」と言うが、子供たちには申し訳ない限りである。

(和)