「認定こども園」1000件超も 二重行政や保育士不足課題
新年度を控え、「待機児童」についての対策が政府や自治体の重要課題として浮上してきている。政府は新たに「子ども・子育て支援新制度」を早ければ平成27年度からスタートさせ、待機児童解消などを進める。その柱の一つが「認定こども園」の普及だ。
認定こども園は、幼稚園と保育園を一体化した施設として、18年度から始まった。ここ数年は年に200件余り増えており、25年度4月1日の時点で1099件と1000件を超えた。今回の新制度ではこれを充実させ、質の高い幼児期の学校教育・保育を総合的に提供するとしている
しかし、問題点も多い。これまで認定こども園は文部科学省と厚生労働省の二重行政が批判されていたが、一昨年に法改正でも認定こども園は内閣府、保育所と幼稚園は現行通り厚労省と文科省の管轄になっており、行政の一本化からはほど遠い状況だ。
また、大きなネックになっている保育士不足が改善される見通しはなく、現状のまま幼稚園が保育まで担うことを不安視する声は多い。新制度自体も、実施直前になって年間予算に4000億円の財源不足が指摘されており、制度設計にも問題点が少なくない。