7年で小中教員35000人増/民間教員採用で質の確保を


7年で小中教員35000人増/民間教員採用で質の確保を

 団塊の世代の大量退職で、教員の新規採用が年々増えている。平成25年度の小中高等の教員採用数は31107人。採用数が最も少なかった12年度の約3倍になっている。

 そのため採用試験の競争率は低下傾向にあり、以前より教員になりやすい状況が続いている。ちなみに25年の小中高の平均競争率は5.8倍。ただ地域によって開きが大きく、小学校教員では競争率2倍という低い地域もある。

 問題は質の高い教員をどう確保するか。最近の教育現場は煩雑な事務処理に忙殺され、子供一人ひとりとじっくり向き合う時間を確保するのが難しい。外国人児童や母子・父子家庭の増加など、家庭環境は複雑かつ多様化している。資質という観点で考えると、社会経験を積んだ民間人からも採用するのが望ましいだろう。残念ながら、民間企業等勤務経験者は採用者全体の5.9%にとどまっている。

 文部科学省は学力向上やいじめ対策など、よりきめ細やかな指導ができるよう、35人以下の少人数編成を打ち出し、今後7年間で小中教員を3万5000人増を考えている。教員の資質に適した人材を確保するため、採用方法の在り方についても検討が必要だろう。