公私の学習費は最大3倍差奨学金の充実は待ったなし
文部科学省の学習費調査によると、幼稚園(3歳)から高校卒業まですべて私立に通った場合、平成24年度の子供1人当たりの学習費総額(学校教育費、給食費、学校外活動費)は約1677万円。一方、すべて公立に通った場合は約500万円。私立と公立では教育費の差は大きい。
高校では生徒の約3割が私立に通う。平成22年度~高校授業料無償化によって、公立と私立の学習費の差は2.5倍に広がった。また私立中学の学習費総額は公立の約3倍。都市部ほど私立へ進学する割合が高く、受験のための塾や習い事など「学校外活動費」も膨らむ傾向だ。
日本は経済協力開発機構(OECD)加盟国のなかで、公的財政教育支出は対GDP比3.6%と先進国中最低レベル。特に大学では他の先進国と比べると家計の費用負担が大きい。
平均年収が下がり続けるなか、高校までの教育費はほぼ横ばい。家計を切り詰めても子供には教育投資する。ある意味、日本の教育は家庭の努力で支えられてきた面がある。
大学費用の負担増は、子育て世代の将来不安を生む。経済格差が拡大するなか、奨学金の充実は待ったなしだ。