開花するか卵ビジネス
地球だより
経済成長著しいインドに、卵で商機を見いだそうとする日本人がいる。
インドで卵は貴重な栄養源として、消費が拡大しているものの、衛生管理が行き届いていない上、物流網も整備されておらず、日本の卵と比べると味が大きく劣っているのが実情だ。
日本の卵かけご飯のように、生で食べる文化はなく、茹(ゆ)でたり焼いたりして食べるのが一般的な卵料理だ。
この会社では雛(ひな)の育成から、商品としての卵のパッキングまでを一貫して手掛ける独自システムを導入、新鮮で衛生的な卵を市場に出すことが他にはない競争力の源泉となっている。
経済成長で拡大しているインドの富裕層や中間層をターゲットに、日本同様、高品質の卵の販売を始めようとしている。
インド北部のパンジャブ州と南部のタミル・ナードゥ州に工場を設け、年内の生産販売を目指す。
日本と同じシステムで、120万羽の鶏を飼育し、1日、100万個の卵の生産を予定している。売値は1個30円ほどと、現地の卵の値段の3倍近いが、商機はあると読んでいる。
なお生でも食べられる新鮮な卵を食卓に届けるために、物流サービスを向上させる必要があることから、スズキが手掛ける保冷車を使って低温のまま運ぶ計画だ。
これまで日本企業はインドで製造業を中心に進出してきているが、食品産業にも裾野を広げていく旗手になれるかどうか、注目される。
(T)