今年もスイカの季節に
地球だより
日増しに暑さを増す5月初旬から、スイカ屋が至る所に店を出し始める。商店街や、駅前の路上市場、道路沿いに広げられた露天の店、農家の軒先やスイカ畑の直近の路上など、一気にスイカ売りが目立つようになる。
中が真っ赤であることを示すために割ったスイカをおとりに、お客を呼び込んで売っている。こんなに山積みのスイカが1日で売り切れてしまうのだろうかと思うほどの大量のスイカが車の上に載せられている。エジプト人は毎日、これだけのスイカを消費し切っているのだ。
中ぐらいの大きさのスイカの値段は25ポンド(約160円)。8等分して食べても量としては十二分だ。わずか20円だが、スイカを毎食食べられる贅沢(ぜいたく)感に満たされる。
スイカを食べた後は、口がすっきりして、清涼感と爽快感に満たされる。よくぞ神様は、こんなすてきな果物を、夏に食べられるように作ってくださったものだと、自然に感謝の念が湧いてくる。夏の暑さを吹き飛ばせるよう、いろいろ考えてスイカを創造されたのだろうかと。
エジプトのスイカには、大きな種がたくさんある。これがそれぞれ糸のようなものを付けている。種として植えれば根が生え伸び、スイカを実らせるのだ。命のたくましさと継続性、それを守る環境圏を準備する神の意図をいつの間にか感じさせられてしまう。夏は、食後にスイカを思いっ切り食べられるので食事そのものが楽しい。