ベトナム人は日本土産に「東京ばな奈」
地球だより
フィリピン人の日本土産というと、日清のシーフードカップヌードルが定番だが、ベトナムで人気の日本土産は「東京ばな奈」だ。
裏ごししたバナナたっぷりのカスタードを、ふんわりとしたスポンジ生地で包んだバナナ形の菓子「東京ばな奈」は、東京土産の横綱だが、このふんわりしっとり感の新感触が国境を超えたベトナム人に喜ばれている。
ベトナムには「東京ばな奈」のソフトカスタードに勝るとも劣らない熟したモンキーバナナが格安で市場に山積みとなっているが、自然のものより高くても人間の手にかかった洋菓子風の「東京ばな奈」の人気が圧倒的だ。
無論、日本に行ってきたという付加価値が、バナナカスタードの甘さ以上の甘い夢をベトナム人に与えていることは間違いがないだろう。さらに近年、やっと経済高度成長の足場ができたばかりの国では、まだまだ洋菓子といえども高度成長初期の日本のようで硬いクリームにボロボロこぼれるスポンジだ。それに比べれば、「東京ばな奈」は間違いなく洗練されたケーキに違いない。
なお、「東京ばな奈」は意外にも埼玉県所沢市の「マスダック」の工場で製造されているのだが、ベトナム人はそんなことは知っちゃいないし、たとえ知ったとしても同じ東京圏ということで話は終わる。
(T)