大根のおいしい季節


地球だより

 最近の天気予報はよく当たる。ここ数日、気温は8度から10度前後で、ウィーン市やニーダーエスターライヒ州など東部は雨が降るでしょうと予報していたが、その通りとなった。昨日も午後から雨が降りだした。妻は天気予報を信じ、国民広場の朝の体操に参加した後、帰りに駅前の市場で大根とナスを買ってきた。

 「いい大根が見つかったね」と、その買い物を褒めると、1本1ユーロ50セントだったという。「大根は今が季節だから、おいしいのよ」という。

 早速、しょうゆと砂糖で煮込んだ大根が昼食のテーブルに出てきた。おいしい。

 「オーストリア人はこんなおいしい大根の料理法を知らないだろうな」と思うと、オーストリア人が急に哀れに思えてきた。

 妻の故郷では、煮込んで柔らかくなった大根にみそを付けて食べるという。確かに、大根は消化を助ける栄養素が豊富に含まれていると聞いた。口の中で広がる大根の味は当方にとっては日本の味だ。

 雨の日は自宅で仕事する。家でニュース番組以外には料理番組を見る機会が増えた。

 どの局でも料理番組をやっている。4人のスター料理人がチームを編成して競争する番組があった。「Taste」というタイトルのドイツの民間放送の料理番組だ。毎週、課題が与えられ、参加した人がスター料理人と相談しながら与えられた時間内で料理する。その味を専門家が審査するというやり方で番組は進行する。

 食いしん坊の当方は昔、ジェイミー・オリバーの料理番組をよく見た。最近はドイツ語圏の料理番組に関心が行き、オリバーの番組はご無沙汰しているが、自然な味を大切にするオリバーの料理哲学には共感している。

(O)