ローマ法王の新枢機卿リストから
ローマ・カトリック教会のローマ法王フランシスコは4日、サン・ピエトロ広場の昼の祈りの場で新しい20人の枢機卿名を公表した。新枢機卿の出身別を見ると、欧州教会から7人、アジア3人、オセアニア2人、南米5人、アフリカ3人の計20人だ。
新枢機卿は2月14、15日、バチカンで開催される枢機卿会議で正式に任命される。フランシスコ法王が枢機卿を選出したのは法王就任(2013年3月)以来、今回が2回目だ。1回目は昨年2月だ。
バチカン専門家は今回の新枢機卿選出について、「フランシスコ法王は再び我々を驚かせた。法王は5大陸から枢機卿を選び、枢機卿会議の国際化を図っている」と見ている。
新枢機卿リストで予想外は米国人聖職者が今回、誰も選ばれていないことだ。また、伝統的に枢機卿が多く選出されるイタリアのトリノ、ヴェネツィア教区からも新枢機卿が選出されなかった。その一方、信者数が1万4000人しかいない南太平洋のトンガ王国の Soane Patita Paini Mafi 司教やパナマの Jose Luis Lacunza Maestrojuan 司教が枢機卿に任命されている。フランシスコ色の人事ともいえる。新枢機卿リストの中で注目されるのは、ミャンマーのヤンゴンの Charles Maung Bo 大司教の選出だ。
ちなみに、新枢機卿の最年長者はコロンビアの退職した Jose de Jesus Pimiento Rodriguez 元大司教( Manizales )で95歳 、最年少者はトンガの Soane Patita Paini Mafi 司教の53歳だ。
枢機卿はローマ法王以外ではカトリック教会最高位の聖職ポストだ。フランシスコ法王が20人の枢機卿を新たに任命したことで枢機卿総数は228人。法王選出会(コンクラーベ)で選挙権を有する80歳未満の枢機卿数は現行の110人から新たに15人を追加し、125人(定員120人)となる。今回公表された20人の新枢機卿のうち、5人は80歳未満の年齢制限を超えているため、選挙権はない。
コンクラーベ有資格者数では依然、欧州が最大派だが、南米出身のフランシスコ法王の登場で南米教会の勢力が次第に強まってきている。フランシスコ法王は法王就任後、バチカン機構の改革に乗り出しているが、枢機卿会議をこれまで以上に重要視している。
(ウィーン在住)