【上昇気流】東京都内にも昔ながらの宿場の街並みが残されている
東京都内にも昔ながらの宿場の街並みが残されているのかと、現地を歩いて感動したのは、町田市小野路町の小野路宿通りだ。京王多摩センター駅から鶴川行きのバスに乗って12分、小野神社前で下車した。
丘を越えて小野路バス停を過ぎるころから、江戸時代にタイムスリップしたような気配で、小野路宿通りに入る。目的は多摩丘陵のハイキングだったが、帰りにこの通りを歩いてみた。
バス停のある三叉(さんさ)路の西側に小野路宿里山交流館がある。この地の観光拠点で、丘陵コースの案内情報を提供し、食事処では名物のうどんが提供され、地元の物産も販売している。が、もとは「角屋」という旅籠だった。
この通りには、全部で6軒の旅籠があったという。今は資料館になっている小島家は、かつて名主の家で、近藤勇や土方歳三が天然理心流撃剣のけいこをつけた道場があったそうだ。新選組などに関する幕末の資料が展示されているというが、あいにくの休館。
この通りは鎌倉時代から府中と鎌倉を結ぶ街道上の宿場として栄えてきた。が、実は近年、新たな景観美でよみがえったのだ。多摩ニュータウンの開発で通過車両が激増したにもかかわらず、道幅が狭く、住民が危険にさらされていた。
都による拡幅事業が決定して、2018年9月に幅8・5㍍の道路に拡張。板塀が整備され、電線は地中化され、雨水氾濫防止のせせらぎ水路もできた。風情ある街並みは古くて新しいのだ。
(サムネイル画像:Wikipediaより)