バカンスで消費拡大ーフランスから
地球だより
悪いニュースと朗報が交錯している。
悪いニュースは9月に入り、一日の新型コロナウイルスの感染者数が7000人から1万人と過去最大規模になっていることだ。
一方、朗報は8月のバカンス期、消費が大幅に伸びたことだ。国民の消費の増減を計る指標の一つ付加価値税収が前年から5%も増加した。ロックダウン(都市封鎖)の外出制限で落ち込んでいた消費が、例年の水準に回復したことを意味する。
専門家の分析では、理由の一つは夏のバカンス客の支出が増えたことにあるという。例えば南仏の有名なリゾート地サントロペの数軒のホテルでは、5週間連続満室が続いたことが報告され、収入は昨年の30%アップのホテルもあったという。
他のリゾート地も同じで、パリでエステサロンを経営するジャックリーヌさんは8月、コロナでポルトガル行きを諦め、西部ブルターニュ地方で3週間過ごした。3日毎の移動で予約なしでもホテルは空きがあると高をくくっていたが、8月後半には満室が多く、ホテル探しに苦労したという。
フランスのどこのリゾート地の観光業者からも、豪華なオプションツアーに参加したり、レストランで食前酒や食後酒、高額のデザートを注文したりするケースが増えたことが報告されている。
今の爆発的新規感染者増加は、バカンスで羽目を外し、大都市に帰って来た人々が、ウイルスを持ち帰ったことが原因ともみられている。ただ、言えることは国が消費を促すことなく、バカンスで消費が増加したということだ。
(A)